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マタニティマークの必要性とは?アメリカ在住の私が思うこと

妊婦のマタニティマークって本当に必要なの?と疑問に思っている人は多いでしょう。現在、アメリで妊娠中の私が、日本におけるマタニティマークの必要性について、自分なりの意見を述べたいと思います。

 

まず、アメリカ文化の大前提

【妊婦は特別扱いされない】

 

日本の妊婦さんはマタニティマーク(バッグ等に付けるキーホルダー)が無料でもらえますが、アメリカではそういったものはありません。私は以前日本に住んでいた時は、「妊娠したら当たり前のようにバッグに付けるんだろうな~」なんて思っていましたが、アメリカで実際妊婦生活を送ってみて、マタニティマークというものの必要意義が分からなくなりました

そこで、「そもそもマタニティマークって何のためにあるの?」と疑問に感じたので調べてみました。政府広報オンラインによると、マタニティマークは『妊婦または出産後間もない産婦であることを周囲の人に知ってもらい、周囲の人が配慮しやすくするためのマーク』とのこと。

…まず、出産後でも使うんだ?!と初めて知り驚きました。みなさんはご存知でしたか?確かに産んだ後の身体はダメージが大きいですからね。

 

ただ、私がこの説明を読んで率直に思ったのは、「わざわざキーホルダーで『妊婦です』ってアピールする必要あるのかな?」という感想です。

例えば、マタニティマークが存在しなかったとして、もし妊娠中のあなたが電車の中で立っていて、突然貧血のような症状が出たとします。これって、日本人独特の考えというかそういう民族なので仕方がない、というのは十分承知ですが、こんな状況でも、「言いたいことがあっても遠慮して言えない」「自分からお願いするのはずうずうしい」だから「このくらい我慢しよう」ってなりませんか?

 

私はこれこそがマタニティマークの存在意義だと思っています。つまり、日本の妊婦は、「妊娠してるから本当は席を譲ってほしいけど、自分からは言いづらいから、マタニティマークを見たら察してね」ってところでしょう。だって、自分から気軽に声を掛けられるなら、マタニティマークなんて必要がないですからね。

「いや、緊急時に妊婦だってすぐわかる目印でもあるよ!」という方もいるかもしれませんが、その点で言えば、アメリカにはマタニティマークもなければ母子手帳も存在しないんです。

 

さて、ではなぜアメリカに住んでいる私が、マタニティマークというものの必要意義が分からなくなったかというと、当然のこととして、「お願いしたいことがあるなら直接言えばいい」という考えが根付いたからです。

日本では「空気を読む」なんて言葉がありますが、英語には完全に全く同じ意味ととれる表現はありません。強いて言えば、『read the room』が一番近い表現になるかと思いますが、日本独特のあの「空気読めよ」の感じはなんとも伝わりにくいと思います。

 

アメリカ人は、言いたいことがある場合は相手にしっかり伝えます。だって言わなきゃ分からないから。一方日本人は「そんなの言わなくたってわかるでしょ」って考えの人が多いです。夫婦喧嘩の原因がこれの人もたくさんいるのでは…。

 

それでは、具体的にアメリカと日本の主張の違いを比較してみましょう。質問文の『あなた』を自分に置き換えて想像してみてください。

質問)アメリカに留学中のあなたは、アメリカ人の友達3人とレストランで食事を取っています。自分のオーダーした料理に塩気が少し足りない気がするので、テーブルに置いてある塩を使いたいと思いましたが、その塩は自分の斜め向かいに座っている友達のすぐ横にあって、自分は立ち上がってそこまで腕を伸ばさないと取ることができません。今、友達とは食事をしながら会話で盛り上がっています。あなたならどうしますか?

A. わざわざ立ち上がってまで取るのも微妙なので塩は諦める
B. 立ち上がって自分で塩を取る
C. 塩の近くの友達に声を掛けて取ってもらう
D. 塩味が薄いのは納得いかないので店員に声を掛ける

 

 

はい、アメリカでの正解は、C. 塩の近くの友達に声を掛けて取ってもらう です。
一つずつ解説します。

A. わざわざ立ち上がってまで取るのも微妙なので塩は諦める
諦める必要ないのに。でも日本人は多いはず。友達が楽しそうに喋ってる中、いきなり「塩取って」なんで言いづらい。ま、このくらい我慢するか…は日本人独特の空気の読み方。

 

B. 立ち上がって自分で塩を取る
→これ、アメリカでやったら超絶失礼。食事中の人の目の前に腕を伸ばすなんて、「ちょっとごめん」とか声を掛けたとしても、「なんだこいつ」と思われます。「塩がほしいなら、『取って』って言えばいいじゃん」という思考にしかなりません。

 

C. 塩の近くの友達に声を掛けて取ってもらう
これでいいです。アメリカに赴任を控えている人は肝に銘じた方が良いでしょう。日本では普通のことかもしれませんが、仮にアメリカで接待なんかの場で本能的にBの行動をしたらまずいので。

 

D. 塩味が薄いのは納得いかないので店員に声を掛ける
→これはありえる。ちょっとくらいならテーブルの塩をかける人が大半だと思いますが、あまりに「料理としてこれは…」というレベルだと感じたら、担当のサーバーに声を掛けましょうアメリカではチップ制の店が多いので、自分の対応次第でチップが変動する可能性があるサーバーは特にきちんと適切な対応してくれるはずです。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。他にもアメリカでは、例えば飛行機の機内で「席を替わってほしい」なんていうお願いをしている人はよく見かけます。アメリカ国内線のファーストクラスの客同士でも見たことがありますよ。

私個人としては、ニューヨークでバスケの試合を観戦していたら、隣の人に「あそこに座っている僕の友人たちと席を交換してもらえないか、わざわざフロリダから来てるんだ。」と言われたことがあります。…で、その時は断りました。
私たちの席はコートの真ん中あたりの観やすい席だったけれど、その友人たちの席は極めて端っこだったからです。向こうもダメ元で聞いてきてるのもあるので、断っても「わかった、全然問題ないよ!」と言われて終わりです。

アメリカではお願いも気軽にする分、断るのもそんなに悩む必要ありません。あくまで『お願い』であって、『命令』ではないですから。

 

 

と、いうわけで結局私が言いたいのは、今の日本にはマタニティマークは必要だけれど、そのうち日本もアメリカのように、自分のお願いを気軽に声にできる世の中になれば良いのにな、ということです。「察して」という高度な要求は神経が張り詰めてしまいそうです。また、『お妊婦様』なんて呼ばれる人が出現してしまうのも、この日本独特の文化があるからでしょう。

アメリカで、妊婦なんて全く特別な存在じゃありません地下鉄だって、優先席は障がい者のために存在し、妊婦のために譲りましょうなんて一言も書かれていません。
(ちなみに、アメリカの公共交通機関では小さな子どもに席を譲るのが一般的です。)

 

しかし、一方で日本では、この"過度な空気の読み"が独特の文化を創り出していることも十分理解できます。なので、正解なんて無いのですが、「日本人は控え目すぎる!!もっと自分の意見を声に出して!!」と言いたいです。
普段自分の意見を言えなくて我慢している分、匿名で自由に意見できるヤフーのコメント欄とかが荒れてしまうのではないでしょうか(あくまで個人的な考察です)。

 

本日もご覧いただきありがとうございました。
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