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全米オープン女子準決勝で環境抗議活動をして連行された件に関して【テニス】

9月7日午後7時(アメリカ東部時間)から行なわれたUSオープンテニス女子準決勝が、試合中の環境抗議活動により一時中断されました。今回はこの件について、アメリカ在住の筆者が感じたことを記事にしようと思います。

USTA Billie Jean King National Tennis Center

さて、私は今回のセミファイナルの試合をテレビで観ていました。「あ~なんか叫んでる人いるなぁ…」と思っていたら試合は一時中断し、解説者も最初は「何が起こったのかよくわかりませんが…」みたいな感じで、とりあえず適当に選手の話をしたりして間を埋めていました。

しかし、警備員が対処している間に練習をしていた選手たちも、この事態が長引くと予想された結果、一旦控室へ戻されることに。私はこの時点で、「あ、長くなりそうだからお風呂入ろ」と思い、観るのをやめました。
戻った頃には試合は再開していて、中断前に優勢で試合を進めていたアメリカのココ・ガウフ選手が結果的に勝利しました。

 

私は後からニュースを見て知ったのですが、この試合は結局約50分間中断していて、気候変動に対する行動を要求する抗議活動を行っている団体『エクスティンクション・レベリオン』によるものだったそう。デモ参加者のTシャツにはその団体のロゴが付いており、胸元には『END FOSSIL FUELS』(化石燃料廃止)と、抗議内容が書かれていました。

しかも、参加者のうちの一人は自分の素足をスタジアムの床に接着剤で固定していたため、すぐに会場外へ連れて行くことが出来ず、最終的に警察が何人も来て溶剤を使って慎重に剥がしてから連行したそう。

 

まぁ、私個人的には、環境抗議についてはUSオープンでもどこかの試合で起こるだろう、とは思っていました。なぜなら7月のウィンブルドンでも環境活動家がコートから飛び出して妨害行為をして2試合中断されたし、先月ワシントンDCで開かれたシティ・オープンでは、化石燃料の使用に抗議するプラカードを掲げたりして試合を妨害した約十数人が会場から退場させられたってことがあったので。

 

じゃ、何でスポーツの会場でわざわざそんなことするんだって、思いますよね。美術館の有名な作品にペンキをかけたりして注目を集め、抗議活動している人もたまにニュースになりますが、私的には、スポーツって特に気候変動に対する注意喚起を促す場としてもってこいだと思うんです。

というのも、スポーツの天敵のひとつって『暑さ』や『寒さ』という気候ですよね。この時期のテニスなんかはひどく暑く、スタジアム内は湿度も高くて選手にとっては過酷すぎる環境です。確かに、これ以上蒸し暑くなられたら、空調が効かない中でのスポーツなんて、将来出来なくなるかもしれません。

ここ数年は特に、国や地域によっては夏場は異常なほど気温が高く、冬はあらゆるものが凍ってしまうほど…20年前に比べたら、暮らしにくくなっていることは間違いないでしょう。
私が高校生の時に通っていた学校は、クラスや体育館に空調が一切なくて、夏場は窓を開け、冬場はカイロで生きていましたが、今だったらきっと無理ですよね…。

また、アメリカで最も人気のスポーツであるアメフトで言えば、真冬に大雪が降っている中でも試合をするわけですから、選手にとっても観客にとっても自分たちのコンディションがだいぶ変わってきます(アメフトはもはや気候だけではなく気象も大きく影響しますが…何でこんなに過酷なスポーツが超絶人気なんだろってつくづく思います)。

そして、何よりも観客数の多さ。スタジアム内で抗議活動をすることで一気に大勢の注目を集めることが出来ますから。影響力大です。

 

つまり、気候変動の危険性を訴えている人々からしたら、「お前らのんきにスポーツ観戦してるけど、このまま気候変動について真剣に考えなかったら、いまやってることはそのうち出来なくなるぞ。」っていう、平たく言えば注意喚起なんでしょう、彼らからしたら。

 

今回の『エクスティンクション・レベリオン』という団体は、USオープンでの抗議活動中、『ダニール・メドベージェフ選手が今大会、猛暑のせいで "Someone is going to die." (誰かが死ぬだろう)と発言した』という話をソーシャルメディアで共有したらしいです。

つまり、彼ら的には「有名テニス選手が気候変動による異常な猛暑で死の危険性を訴えている!→全世界の人間が今、気候変動について具体的なアクションを起こさないといけない!」ということを伝えたいのでしょうけど…普通の人間はそういう発想にはならないですよね。
ただ、「自分がせっかく購入したチケットの試合を妨害されて大迷惑!2試合目も開始時間遅くなっちゃうじゃないか!どうしてくれるんだ!出てけ!」としか思わないでしょう。だから、私は彼ら環境活動家のやり方が正しいとは決して思いません。

メドベージェフもこの過酷な環境下での試合続行について、大会運営側に疑問を持っているだけであって、別に気候変動を訴えているわけではないと思うのです…。捉え方は人それぞれですが。

 

そして、今回試合の中断を余儀なくされたココ・ガウフも、試合後のインタビューにて「(自分にとって優勢である)この勢いを持続させたかった。」と言いつつも、「もしそれ(抗議活動)が、彼らが自分たちの声を聞いてもらうために必要だと感じていたことなら、私はそれに対して腹を立てるわけにはいきません。」と、抗議活動者を否定するわけでも肯定するわけでもなく丸く収めたのは素晴らしかったと、個人的には思いました。

 

さて、USオープンも明日からファイナル(決勝)です。
皆さんは応援している選手はいますでしょうか?私はベン・シェルトン選手を応援していましたが、今日のセミファイナルでジョコビッチ選手に負けてしまって残念でした。
本人は悔しそうでしたが、ご両親は試合が終わった後、「よくここまで頑張った」といった感じの笑顔でした。そりゃ、セミファイナルまで勝ち進んでジョコビッチ相手に必死に戦ったわけですから、どんな結果であれ誇らしいでしょう!
今後も絶対に応援します!!

 

今日もご覧いただきありがとうございました。
私が先日USオープンに行った時の記事はこちらから↓

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