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暑すぎる地下鉄でドライアイスを嗜む親子

今回は、私が真夏のニューヨークの地下鉄で出会った、可愛らしい黒人の親子についての話をしたいと思います。まぁ、アメリカに住んでいると毎回出かけるたびに面白い人を見かけるものです。だけど、我々が『面白い』と思うのは、「日本ではこういう人は見たことないなぁ」とかっていう一種の新発見があるからだと思っています。

したがって、ある種の人間を見慣れてくると、だんだんと面白みが消えてくるんです。例えば、覚せい剤打って幻覚を見てラリっている人とか、地下鉄の車内で誰かが大麻を吸い出すといろんな人が分けてほしいと寄ってくるとか、駅構内で親がおもちゃのベンツに乗せた子どもを操縦してるとか、そのほかにも色々日本では見ないような光景を見てきました。

それなのに、約3年NYに住んだ今でも毎回何かしらの発見があるってすごいことだと思いませんか?ここに住んでいると、毎日がとても新鮮に映るのです。

 

さて、今回私がNYの地下鉄で出会った黒人親子も、私にとってはじめての発見をさせてくれました。彼女たちは他国出身のようで、お母さんと子ども(少女)が何語かわかりませんけれども、英語以外の言語をしゃべっていて、買い物帰りのような雰囲気でした。

一方の私は夫とスーパーで買い物をした後に地下鉄を利用する際、次の電車が来るのが7分後くらいで少し時間があったので、ホームの椅子に座っていました。そして、彼女たちもそれに気が付いたのか、私たちの隣の椅子に座って来ました。

 

少女は何か言いながら椅子に座ると、おもむろにショップバッグの中に入っていたドライアイスを取り出し、ドライアイスを包んでいるを破こうとしますがなかなかうまくいかず、母親に助けを求めます。そして、親子で頑張ってそれに取り組んでいると、ついに袋が破けました。

私は、「それ破ってどうするんだろう…」と横目で見ていました。実はNYの地下鉄は、駅にもよるのですが古い駅は基本的に空調がないので熱がこもり、とにかく暑いのです。
湿度は日本ほど高くはないので、汗をぐっしょりかくことはありません。ただ、身体に熱をため込む感じといいますか、逆に体温調整が難しいという体感というか、そういうしんどい状態になるんです(サウナで汗をかく前までの状態に近いかも)。

なので私は、あの親子はドライアイスをうまく活用して、首にあてて身体を冷やすとかそういったことをするのかな?と思っていたのですが袋を破くので、彼女たちのこれからの行動に非常に興味を持ってしまったのです。

 

さて、ついに中身を取り出せる状態になった少女は素手ドライアイスを取り出し、それを真っ二つに割ります。そして、片割れを母親に渡し残りのもう一つはなんと…

 

自分の口の中へ…!!

 

私は「え!食べるの?!」とびっくりしてしまいました。ドライアイスを食べるという発想になったこともなかったし、子どもの頃、親が私を楽しませるためにドライアイスをボウルに入れてくれたりした時は必ず手袋をしていたので、ましてや口の中にいれたりなんかしたら粘膜にくっつかないのか?!とか思っていると、彼女の口から『モヤ~』っとドライアイスの氷霧が。

さらに、母親の方も同じことをし出し、2人でぼーっとしながら口からモヤモヤと氷霧が出ている、この光景の奇妙さに私はついに耐えられなくなり、吹き出してしまいました。

 

すると、親子がこちらに顔を向け、苦しそうに笑っている私を見て爆笑し始めました。黒人の人ってよく笑う人が多いんです。とても愉快そうに。
たぶんそれは歴史をさかのぼれば納得いくことだとも思うのですが、もし相手と話す言語が違ったとしても、「面白いな」って思うことって結構共通するじゃないですか。

もちろんその『面白い』と思う度合いに違いはありますが、やっぱり楽しく笑いながら身振り手振りでコミュニケーションとるって悪い気はしないんですよね。

 

例えば、以前私がNYで道を歩いていたとき、キャスター付きバッグを押している黒人のおばあさんが、コンビニに入りたいのに、そのキャスター付きバッグが段差にひっかかってうまく進めず、かつアメリカの店のドアってすごく重い場合が多いので、そのドアを抑えながらめちゃくちゃ必死にバッグとともに入店しようとしていたんです。

私はそれを見て「手伝わなきゃ」と思い、駆け寄って

Are you OK?

と言いながら店のドアを彼女のために抑えてあげたんです(そしたらおばあさんが両手でキャスター付きバッグを押せると思ったので)。

そしたらおばあさんは私の方を見て、

I'm not OK!

愉快そうに爆笑しながら無事入店。もちろん別れ際に「Thank you, sweetie.」と言ってくれました。

彼女は何がそんなに面白かったって、お気づきかもしれませんが、私が「Are you OK?」と聞きながら駆け寄ったので、おばあさんは「自分そんなに必死にやってるように見えたんだ」っていう、そんな自分がおかしくなっちゃったっていう笑いなんです。

 

今回の、ドライアイスを食す親子の笑いも、私がおもわず笑ってしまったことによって「自分たちおかしなことして面白くなっちゃった」っいう笑いなんですよね。

私は彼女たちが英語を話すか分からない、と思いながらも極力簡単な英語で、

「It looks fun! Is that cold?」(楽しそうね!それ冷たいの?)

と聞くと、少女は笑いながら何度も大きく首を縦に振り、母親もなんだかとても愉快そうに、しばらく2人してとても楽しそうでした。

 

この日、彼女たちに出会うまでは何の変哲もない普段通りの休日でしたが、言葉を交わさなくてもなんだか面白くなって一緒に笑ってしまう、そんな人間の不思議さと温かさを発見できた一日でした。

 

というわけで、今回もご覧いただきありがとうございました。
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